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2025/01/23 21:26
2025年度製造に使う材料は、全て新月の日に伐採された竹です。昨年10月の新月伐採に始まり、11月の新月伐採、12月は2度の新月がありましたので、合計4日間を伐採に当てました。その4日間の中でも、12月の新月はデイタイムの時間帯に真新月の時間がありましたので、この時間に合わせて2本ほど伐採しました。
現在、その上記の材料を使って、製品製造の前段階、いわゆる「仕込み」と勝手に呼んでいますが、その仕込みが随分と進んできております。そこで、現段階における新月伐採の材料から受ける印象と、思うこと(理屈も含めて)を少し述べておきたいと思います。
一般に、木でも竹でも、「新月伐採」というと、少し神秘的なイメージがついてまわるのは周知のことと思います。しかし、この度初めて新月伐採をしてみて思うのですが、神秘性をあまり前面に出すのもどうかと思うのが正直な所です。
まず第一に、伐採において最も重要なポイントは、新月かどうかより時期の問題です。やはり木や竹は10月から翌年の1月いっぱいぐらいの時期が良いようです。その4ヶ月間の中でも、理想を言えば12月が一番伐採には適しているように思います。
秋から冬へ、動物で言えば冬眠に向かう時期が木や竹にとっては静止の活性(=眠りの活性)に向かう時期です。水の吸い上げが止まり、時間軸を変化させる時期と言っても良いかもしれません。この静止の活性の最たるものが「種」なのではないでしょうか。あの1000年の時を超える種、です。土の中で、腐りもせず、ずっと生きているということなのですから。
この静止の活性に新月が関係するのだと思います。つまり、より眠りが深くなるということ。それゆえ、材が長持ちしたり、虫に喰われにくくなったりという現象が起こるのではないでしょうか。そういう意味で、伐採時期をきちんと守った上で、なおかつ新月伐採のものが良い、というのであれば、全くその通りだと思います。
クーナル製品は、自然のものたちとの共作だと思っています。ゆえに、自然にとって一番良いタイミングがあるのなら、それに合わせて物づくりをしていきたいと思っています。
追記
新月伐採の神秘性を強調して・・・、というのは商売のテクニックから出てきた現象かもしれませんね。もういい加減そういうことはやめましょう。それより、人間はもっと自然を大切にしたほうが良いと思います。大切にする意識が育ってくると、特に音が好きな人にとっては、何物にも替えがたい心地よい音の世界へと誘われるでしょう。自然のひびきに勝るものはありません。